「まかない」とは空腹を満たす単なる厨房食ではございません。
最初に修行に入った店では交代制で週3~4食のペースでまかない当番がまわってきました。学生時代は家で料理なんてほとんどしたことがなく、料理学校にも行ってないものですから、毎回、毎回、何をしたらいいのか・・・。と言うか何もできないし、何も頭に浮かばない状態でした。とりあえず本屋に行って「おかず」の本を買って、簡単でおいしそうな料理を適当に作ってました。そしたらある日、親方に
「お前はいつまでこんな料理をつくる気や!」
「何料理の修行にきたんか!」
「もっと勉強になる料理をつくれ!」
「お客さまにだす気で料理しろ!」
と、ひどく叱られました。その頃よくつくっていたのは、野菜炒めや焼きそば、コロッケやフライものばかり。すべてソース味。今思えばひどいもんです。そりゃ怒られて当たり前でした。当時は「まかない」の意味も分からず、ただただ空腹を満たすものとして考えていました。
翌日から、できない、やったことがないという理由で避けていた煮物と魚料理を積極的に取り入れました。ちょっと「辛い」「甘い」とか「濃い」「薄い」とか、先輩方に教えてもらいながら少しずつ勉強しました。「刻みもん上手くなったな」とか「今日の味付けはいい」とか褒められたときは本当にうれしかった。料理の楽しさを知れたのは「まかない」のおかげ。
そして、今も毎日つくってます。今日のまかないは

サラダ・豚の生姜焼き・ジャガイモと豚ばらの煮物
最近は「まかない」をつくる店が少なくなってきていると聞きました。残念に思うがこれも時代の流れか・・・。
ええもんは残さなあきませんね。
俊二